小さい子供たちのために作りました。
entonは歩き始めた小さい子たちも座りやすいようにと思って設計しました。座面高は18cmです。写真にあるちゃぶ台の高さは32cmですが、これくらいの組み合わせだと子供たちがおやつを食べたり、画を描いたりするのにちょうどいいようです。ぶつかってもいいように全体を丸い形でまとめました。今まで作った小さい椅子の中では一番小さいものですけど、大人もちゃんと座れます。おしりの大きい僕でも大丈夫。
タモとウォールナット材を使いました。
材は広葉樹の中では柔らかめのタモとウォールナットを選びました。重さもさほどなく小さいお子さんにも扱いやすいかな。タモは木目もハッキリしていて見た目でも触っても木を感じることができます。ウォールナットは洋家具では最上手の材料のひとつですが、独特の濃い茶色が特徴でしっとりとした質感です。子供椅子だからこそ良材を、本物を使いたいと思います。
和室にも合うように・・
畳っていいですよね。entonの足先は幅があります。色々考えてこういう形になりましたけど、和室で座卓と一緒に使うときにもこの足先は畳にやさしいと思います。また、全体のデザインもどことなく和を感じるものとなりましたから私たちの住まい方にも馴染むかと思います。
丸みのある形、和の心から「円」を思います。良縁に恵まれますことを祈っての「縁」。そして関東では小さい子に座ってもらうときに「えんとしてね。」「えんこしてね。」といいます。「えん」「えんと」にちょっとリズムを付けてenton(エントン)と名付けました。
思いは「フクちゃん」と同じです。お子さんが健やかに育ちますように・・そして末永くお付き合いいただけたらと思います。大人の方も、家族みなさんで使ってもらえたら嬉しいです。
そうそう、モデルのそうちゃんはちょうど2才です。身長83cm・・ご参考まで。
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entonの作り方
丸く柔らかい形をイメージしていましたからほぼすべての面をゆるい曲面で作りました。手間のかかる作業ですが、子供たちに木の手触りや形の豊かさを伝えたいなと思いました。この椅子から言葉にはならない色々なことを感じてもらえたら嬉しいです。
曲面はいつものようにカンナで削りだして手で磨いています。ウォールナット材では磨きの工程にも普通以上に神経を使います。色の濃さや木の性質からでしょうか、この工程が仕上がりに影響しますので。
構造はとてもシンプルです。でも、木の組み合わせ方に工夫をしていますので、とても丈夫な椅子となりました。大人の方が上に乗って、踏み台のようにしても大丈夫です。
entonの設計には試作含め、随分と時間をかけました。敢えて急がず時を待ったようなところもあります。いくつかの季節が過ぎてやっと皆さんに使っていただける段となりました。そうですね・・この椅子を生み出すのに必要な時間だったのかなと今は思います。僕にとっても大事な一脚となりました。
小さいときから長く使える物、丁寧にしっかり作られた物をお届けしたいと思います。